ポルシェデザイン オルフィナ クロノグラフ1 Ref.7176 SerialNo.27xxx レマニア5100 PVDブラックコーティング 2025年5月オーバーホール(1年間修理保証) Porsche Design Orfina Chronograph 1 Lemania 5100 PVD Black Coating・IP-2577

1970年代(1975年～1978年)製造
ムーブメント:レマニア5100 自動巻き Day/Dateクロノグラフ

ポルシェデザインは、ポルシェ911のデザイナーであるフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェが1972年に設立したデザインスタジオで、同年、最初のプロダクトとして発表したのがこの時計「クロノグラフ1」です。
「オルフィナ」は、その製造を担ったスイスの時計メーカーになります。

クロノグラフ1の特徴としては、
1. 世界で初めて量産されたオールマットブラックの腕時計
「機能がフォルムを決定する (Form Follows Function)」というバウハウスの思想を体現したデザインで、視認性と実用性を徹底的に追求しています。
(ポルシェ911のメーター類からインスピレーションを得て、ドライバーが運転中にクロノグラフの情報を瞬時に読み取れるよう、反射を抑えたマットブラックの文字盤とケース、そして赤いクロノグラフ針を採用)
ケース素材にはステンレススチールが用いられ、ブラックのPVD(物理蒸着)コーティングが施されました。
当時、時計にPVDコーティングを施すことは非常に画期的な試みであり、その耐久性には賛否もありましたが、デザインのインパクトは絶大でした。

2.製造パートナー:オルフィナ
この革新的な時計の製造を担ったのが、スイスの時計メーカー、オルフィナでした。
オルフィナは当時、堅牢なミリタリーウォッチの製造に定評があり、その技術力がポルシェデザインの要求に応える形で結実しました。

3.ムーブメント
初期のクロノグラフ1にはバルジュー7750が搭載されましたが、クォーツショックにより1974年に生産が中止となり(その後、1980年代に生産再開)、レマニア5100に切り替わっています。
レマニア5100は、バルジュー7750には無かった24時間表示が加わり、60分積算計がセンター位置に配置されるという特徴的なムーブメントで、視認性がさらに高まりました。

4.ミリタリーウォッチとしての採用
クロノグラフ1は、その高い視認性と耐久性から、西ドイツ空軍やNATO軍の官給品としても採用されています。

5.トップガン、トップガン マーベリックでの着用
映画「トップガン」(1986年公開)、「トップガン マーベリック」(2022年公開)で、トム・クルーズが着用していたことでもクロノグラフ1は広く知られるようになりました。(マニアからは、バルジューモデルかレマニアモデルかが色々憶測されていましたが、結局は、よく分からないようです)

6.復刻モデル
ポルシェデザインは、2022年のブランド創業50周年を記念して、クロノグラフ1復刻モデルを発表しています。

このように、クロノグラフ1は、そのデザイン哲学、技術的な革新性、そしてミリタリーウォッチとしての実用性が融合した、まさに時計史に名を残す傑作であり、ポルシェデザインのアイコン的な存在として多くのファンの記憶に刻まれています。

本品はクロノグラフ1レマニアキャリバーのPVDブラックモデルになりますが、1970年代としては「画期的」であったPVDコーティングも、現代の感覚ではそうでもなく、ブラックの色落ちがそれなりに目につきます。
これを「ヤレ味」として、トップガンマーベリックのトム・クルーズ(彼のクロノグラフ1も相当年季が入っていました)になったつもりで、味わうのも面白いと思います。
また、ここに掲載するに当たり、オーバーホールを実施しています。(2025年5月)

文字盤に汚れ、シミ、スポットはありません。
インデックス、針に汚れはありませんが、夜光は劣化しています。
クロノ秒針(赤)は色落ちしています。
文字、目盛りの消え、カスレはありません。
風防(ミネラルクリスタル)に目視できる傷はありませんが、フチに微細な欠けが数カ所あります。
ケース、裏蓋、ブレスレットに、スレ、小キズがあります。
ケース、ブレスレットにコーティング落ちがあります。(特にエッジ部)
リューズ操作、クロノグラフ操作に問題はありません。
ベルトはPDブレスレットが付きます。
時計修理専門店のオーバーホール証明(納品書)と修理保証書(2026年5月まで有効)を付けます。
他の付属品はありません。

操作方法
リューズは1段引いて右回しで日付、左回しで曜日の早送り、2段引いて時刻合わせになります。
注意すべきは、文字盤上の時刻が20時から4時までの間は「日付、曜日の早送り禁止時間帯」ということです。(無理にやると壊れます)
クロノグラフボタンは上がスタート/ストップ、下がリセットになります。

インダイヤル、針の説明
上インダイヤルが24時間時計、左インダイヤルが通常の秒針(永久秒針)、センター針(赤)がクロノ秒針、センター針(白)がクロノ分針(つまり、メインダイヤルが60分積算計を兼ねます)、下インダイヤルが12時間積算計という構成です。
上記の「日付、曜日の早送り禁止時間帯」は上インダイヤルの24時間時計で確認します。

日差は平置きでプラス10秒以内に収まっています。
サイズ:
縦45mm
横40mm(リューズ除く)、42mm(リューズ含む)
厚さ15mm
重量127g(ブレスレット含む)