ムーブメントマニア必見 幻のMolnia 3602搭載 ほぼ未使用 FALCHI NEW YORK FB-097-02 保証書付属・HA-6762

製造年:2005年頃
ムーブメント:Molnia 3602

2005年に購入したFALCHI NEW YORK FB-097-02。ブランドの「FALCHI NEW YORK」は、ブラジル人デザイナーCarlos Falchi(カルロス・ファルチ)氏のメインブランド「Carlos Falchi」のセカンドラインという位置付けです。

この時計の最大の価値はブランド云々ではなくて、ソ連時代より製造されているMolnia 3602というロシアンムーブメントを搭載していることです。Unitas 6497と同様、直径36mmの大型ムーブメントで、基本的には懐中時計用です。9時位置にスモールセコンドを持つ5振動の手巻き、ブレゲ髭です。

歴史的には、1948年に製造開始。初期型は15石仕様。尚、1952年から1959年の間に極少量19石仕様が生産されていますが、ブリッジ類に19石を示す刻印は無かったようです。1955年より17石仕様が追加。1960年より18石仕様が誕生し、誕生から60年目の2008年に生産を終えています。

つまり、この時計に搭載されているMolnia 3602は、同ムーブメントの最後期のものになります。写真からもお分かりのように2番車にも石を配した18石仕様。ガンギ受けにもキャップのある丁寧な作りをしています。また、ムーブメント受けはオーソドックスなヘアライン仕上げですが、当時の流行に倣ったのかドイツ時計風にねじ類に青焼きの加飾が施されているのがFALCHI NEW YORK FB-097-02ならではの特徴となります。

ロシアのウクライナ侵攻以来、現在の欧米諸国とロシアの関係はまるで冷戦時代に戻ったようですが、2005年頃にはアメリカとロシアがタッグを組んだこのような時計があったことは感慨深くもあります。

生産終了からも既に10年以上が経過している準未使用品のMolnia 3602搭載の時計を手にできるまたとない機会。ムーブメントコレクター、ロシア時計マニアの方におすすめします。

【ダイヤル(文字盤)】【ケース・裏蓋】【ベルト】
コレクション品でしたので、保管傷も無いレベルのほぼ新品といえるコンディションです。文字盤も綺麗です。一度も腕にしていませんので革ストラップの穴の歪みもありませんが、箱に収納したままでしたので保管時の巻き癖がついています。10気圧防水とありますが、長期保存品ですので防水性能に関してはそこまでの期待はできないものと思われます。

【操作方法】
操作方法は一般的な手巻き時計と一緒です。ケース右サイドにあるリューズはねじ込み式ではありませんので、そのまま巻けます。一段引き出すと時刻修正ができます。

【付属品】
本体、化粧箱、外箱、保証書、タグ類全て完備。
化粧箱の外装、内装材共に加水分解など起こしていないコンディションです。紙製の外箱は既に糊の劣化で剥がれや歪み(画像参照ください)が生じています。

タグに記載の定価は税込102,900円。尚、記憶が定かではありませんが実売はそれよりもずっと低かったと思います。
※当時は消費税5%の時代ですので税抜は98,000円となります。

【日差】
日差は24時間の実測(平置き)で30秒弱の進みでした。実装時には多少の姿勢差が生じるかと思いますが十分に実用的な範囲に収まるものと思います。1950年代に生産が始まったソ連製手巻きムーブメントのデッドストック品を使用した時計ですので、精度に関しては大らかな目でみてください。
【サイズ】
ケース径:約42mm(リューズ及びリューズガード含まず)、縦(ラグからラグまで)約50mm、厚さ約10mm(風防含む)、ラグ幅:21mm。重さ:約79g