セイコー セイコーマチック ウイークデータ 35石
- 販売価格
- 23,800円SOLD OUT
- 製造年代・ムーブ
- 23682
- 特徴・セールスポイント
- セイコーは1964年東京オリンピックの公式時計サプライヤーとして採用され世界に実力を見せつけましたが、一方で製品としては依然「スイス製に迫る性能の割に安い」と見なされてました。確かにグランドセイコーは高精度でしたが手巻きしかなく当時の世界市場では時代遅れと感じられ、自動巻はスポーツマチックなど精度より堅牢性・実用性・コストを優先させた製品ばかりでした。
そこで自動巻フルカレンダー高級機という当時のハイクラス市場にチャレンジすべく1964年6月に投入したのが新世代62マチック系の製品です。振動数も当時のオメガ562等と同じ5.5振動です。自動車に例えるなら本気でメルセデスをライバルにした初代レクサスLSと似た状況です。大卒初任給が24000円程度の時代に販売価格は18000円なので今の感覚だとちょうど定価18万円という感じだと思います。定評のある堅牢性を犠牲にせず自動巻で精度を追求した初めてのムーブメントがこのCal.6218だと言えます。後から39石の製品も発表されましたが、これは当時の「多石=高級」という単なるイメージに応えるために出された製品であり(ライバルであるシチズンスーパージェットが39石)、セイコーは堂々と35石のまま「セイコーマチッククロノメータ」「グランドセイコー」を製造してました。(参考までに同じセイコーマチックでも35石が「Cal.6218」で39石が「Cal.6216」と数字の大きさの扱いが逆になっています。なお「セルフデータ」という39石曜日無しモデルが1963年から出てますが、基本設計は同じでも仕上げや石の配置がかなり異なります。)
ただし、セイコーはまだ高級機の販売に慣れていなかったが故に同じ62系35石のラインナップは混乱を極めました。35石以前から有る39石もまだ販売が継続されて石数が減っているのに定価は同じ、単なる「セイコーマチック ウイークデータ」、「グランドセイコー」(自動巻きとしては初代)、「セイコーマチック クロノメータ」、さらに一番高価な金無垢ケースでも中身が35石のウイークデータが同時に存在する事になり、1966年からは更に39石(39石セルフデータの改良ではなく35石の豪華版)が加わったので消費者はともかくメーカーや販売店も相当混乱したと思います。ただ冷静に見ればこれら35石以上の62系キャリバーは設計が共通です。この一番安い(とはいえ高級品、あくまで他の同系製品と較べて)でも緩急針微調整機構、秒針規制機構は標準で装備されており、それより高級な製品は部品の加工精度の良いパーツを選抜して熟練技術者が最終調整を行い、ケースや文字盤のデザインを変え裏蓋にメダルなどを付加して出荷されたものです。
蛇足ですが、35石と同時に発売された廉価版の26石(緩急針微調整機構、秒針規制機構無し)はムーブメントにオメガのような赤メッキが施されていて、見ただけでは一瞬こちらのほうが派手で高級と勘違いされますが、この35石はメッキ仕上げをしてないのではなく、白色でより高価なロジウムでメッキが施されています。
- コンディション・傷・ブレスのコマ・付属品
- ダイヤルと風防は非常に綺麗です。ケースには時代相応の小傷なども見られますが深い傷は無いです。一番残念なのは裏蓋の擦れが激しく製造番号以外の刻印が読みにくいほど磨り減ってます。ただし全く読めないわけではなく、元々50m防水の堅牢なケースなので実用に支障が出るような心配は無いです。ベルトは購入者が後で新品をお好みの物をセレクトして装着した方が良いと思うので安物の中古です。その分だけ出品価格を抑えてますのでご理解お願いします。
- 日差・サイズ
- 日常使用で日差30秒以内です。
竜頭を含まない幅37mmです